こどもの日として広く親しまれる5月5日は古くは「端午の節句」と呼ばれていました。
かつてこの日は稲の豊穣を願い、田植え前に穢れを払うため、邪気払いに効果のある菖蒲(しょうぶ)を軒先に吊るしました。これが菖蒲湯に入る風習につながったようです。
江戸時代に菖蒲が「尚武(勝負)」に通じるとして、男の子の立身出世や成長を祝う行事となりました。
兜を飾ったり、鯉のぼりを立て、柏餅やちまきなどを食べてお祝いします。
端午の節句(こどもの日)の行事食
柏餅
柏の木は、新芽が出ないと落ちないため、「後継が絶えないように、男の子が健康に育強うに」と、子孫繁栄を願って食べられるようになりました。
柏餅を包む動作が神前で柏手を打つ姿に似ていることから、武運を願う丹後の節句にふさわしいとされました。
ちまき
香りのある葉で包むことから邪気を祓う意味があり、日本では、平安時代には宮中で端午の節句の厄除けとして用意されるようになりました。
ちまきを包んだ魔除けの効果のある5色(赤・青・黄・白・黒)の糸は、子どもが無事に成長するための祈りを込めて、鯉のぼりの吹き流しとしてもちいられるようになりました。
たけのこ料理
たけのこは5月が旬で、すくすくとまっすぐに伸びて大きく育つことから、こどもの成長の象徴とされ、縁起をかついで食べられるようになりました。